1.1 脆弱性診断士の業務における役割と責任

1.1 脆弱性診断士の業務における役割と責任 #

脆弱性診断士はその業務において、主に以下のような役割があります。

  1. 脆弱性診断業務
  • システムやアプリケーションの脆弱性を特定
  • セキュリティ上の欠陥や設定ミスを発見
  • リスクの重要度評価と優先順位付け(トリアージ)
  • 新しい脅威や攻撃手法の研究と対策の検討
  1. 報告・提案業務
  • 発見した脆弱性についての詳細な報告書作成
  • 具体的な対策方法の提案
  • 経営層向けの説明資料の作成
  • コストや現状を考慮した現実的な解決策の提示

また、主に以下のような責任を担います。

  1. 技術的責任
  • 正確な診断結果の提供
  • 最新の診断技術の習得と適用
  • 診断によるシステムへの影響の最小化
  • 適切なツールと手法の選択
  1. 倫理的責任
  • 機密情報の適切な取り扱い
  • 診断で知り得た情報の守秘義務遵守
  • 診断結果の改ざんや隠蔽の禁止
  • 公正かつ中立な立場での診断実施
  1. 法的責任
  • 関連法規制やガイドラインの遵守
  • 診断に必要な許可・承認の取得
  • 契約内容の厳守
  • コンプライアンスへの対応

脆弱性診断士は技術的な専門性だけではなく、高い倫理観と責任感を持って業務を遂行することが求められます。

脆弱性診断士スキルマッププロジェクトでは、脆弱性診断士の行動規範を示す「脆弱性診断士倫理綱領」を公開しています。